古文単語、プラスとマイナスのイメージで覚える高速暗記術

さて、次なる冒険の舞台は「古文単語」の世界です。 「現代語と意味が全然違う!」 「一つの単語に意味がたくさんありすぎて、覚えられない…」 そんな悲鳴が、あちこちから聞こえてきそうね。たくさんの言葉を、ただひたすら暗記していくのは、本当に大変な作業だもの。

でもね、もし、その一つひとつの単語が持つ「キャラクター」や「第一印象」を掴むだけで、驚くほどスルスルと覚えられる方法があるとしたら、試してみたくない?

「言葉はね、君の心を映す鏡なんだよ」

昔の人が言葉に込めた「感情」を先に感じ取ってしまう――それが、今回の高速暗記術のヒント。単語が持つ「プラス😊」と「マイナス😢」のイメージで、古文単語と一瞬で仲良くなりましょう!


目次

古文単語、プラスとマイナスのイメージで覚える高速暗記術

なぜ「イメージ」で覚えるのが最強なの?

古文単語が難しい理由の一つは、「多義語(たぎご) 」が多いから。つまり、一つの単語が、文脈によって良い意味になったり、悪い意味になったりするの。

例えば、最重要単語の「あはれなり」。これを「趣深い、感動的だ、素晴らしい、気の毒だ、悲しい、かわいい…」なんて、呪文のように丸暗記しようとすると、心が折れちゃうよね。

でも、この単語のコアイメージが「しみじみと、心が動かされる感じ」だと知っていたらどう? 心が動かされた結果、

  • 「なんて素晴らしいんだろう…😊」(プラス)
  • 「なんて可哀想なんだろう…😢」(マイナス) と感じる。そう、たった一つのコアイメージから、プラスとマイナスの意味に自然と繋がっていくの。

この方法なら、覚えることがぐっと減るし、何より、文章を読んだ時に「あ、この場面はプラスの雰囲気だから、きっと良い意味だな」と、直感的に意味を推測できるようになるんだよ。

実践!プラス・マイナス単語帳を作ろう

さあ、実際に単語たちをイメージで分類してみよう! まずは、特に重要なスター選手たちからね。

【プラスの言葉たち 😊】心がキラキラする単語

  • おかし
    • 【イメージ】知的好奇心がくすぐられる感じ
    • 【意味】趣がある、興味深い、美しい、風情がある
    • 【先生メモ】「あはれなり」が情緒的・感情的な感動なのに対して、「おかし」は明るく知的な感動。「春はあけぼの」を読んで「エモい…」と感じるのが「あはれ」、「面白い!センス良い!」と感じるのが「おかし」だよ。

  • うつくし
    • 【イメージ】小さくて可愛いものを愛でる感じ
    • 【意味】かわいらしい、愛しい
    • 【先生メモ】現代語の「美しい(ビューティフル) 」とは少し違うの。赤ちゃんや子犬を見て「かわいい〜!」って思う、あの気持ちが「うつくし」だよ。

  • ありがたし
    • 【イメージ】「有ることが難しい」レアキャラに出会った感じ
    • 【意味】めったにない、すばらしい
    • 【先生メモ】「有り難い」と書く通り、「存在することが難しい」くらい貴重で素晴らしい、ということ。現代語の「ありがとう」は、この「めったにないほどの恵みです」という感謝の気持ちから来ているんだね。

【マイナスの言葉たち 😢】胸がキュッとなる単語

  • わびし
    • 【イメージ】一人ぼっちで寂しい感じ
    • 【意味】つらい、心細い、みすぼらしい
    • 【先生メモ】「わびしい」は現代でも使うから、イメージしやすいかな? 落ちぶれてしまって、気持ちも見た目も寂しい…そんな時に使う言葉だよ。

  • あさまし
    • 【イメージ】予想外の出来事にドン引きする感じ
    • 【意味】驚きあきれるほどだ、情けない
    • 【先生メモ】「浅ましい」と書くね。「え、そんなことする!?」って、あまりのことにびっくりしちゃう、ネガティブな驚きを表すんだ。

  • いとほし
    • 【イメージ】守ってあげたくなる感じ
    • 【意味】気の毒だ、かわいそうだ
    • 【先生メモ】「うつくし(=かわいい) 」と似ているけれど、こちらは同情や不憫に思う気持ちが強い。「ああ、なんて可哀想に…」と、弱いものを思う気持ちだよ。

【プラスにもマイナスにもなる言葉たち 🎭】文脈で変身する単語

ここが一番面白いところ!文脈によって全く違う顔を見せる、物語のキーパーソンたちだよ。

  • あはれなり
    • 【コアイメージ】しみじみと心が動かされる
    • 【😊プラス】趣深い、素晴らしい (例:美しい景色を見て「あはれなり」 )
    • 【😢マイナス】気の毒だ、悲しい (例:親を亡くした子を見て「あはれなり」 )

  • いみじ
    • 【コアイメージ】程度が普通じゃない、「めっちゃヤバい」感じ
    • 【😊プラス】すばらしい、立派だ (例:「いみじく美しい」→とても美しい)
    • 【😢マイナス】ひどい、恐ろしい (例:「いみじく悲し」→とても悲しい)

  • あやし
    • 【コアイメージ】「あれ?」と思う、普通じゃない感じ
    • 【😊プラス】不思議だ、神秘的だ (例:美しい光を見て「あやし」 )
    • 【😢マイナス】身分が低い、みすぼらしい (例:貴族が庶民の家を見て「あやし」 )
    • 【先生メモ】「怪しい」と書くけれど、お化け的な意味じゃないよ。自分たちの常識とは違うものに出会った時の「?」という気持ちが「あやし」なんだ。

どうやって見分けるの?

「じゃあ、プラスとマイナス、どっちの意味かはどうやって見分けるの?」 その答えは、「文脈」、つまり文章全体の流れで判断するんだよ。

  • 桜が美しく咲いているのを見て、「いみじ」と思ふ。 → 桜が美しいのだから、プラスの意味で「すばらしい」だな。
  • 大雨で家が流されてしまったのを見て、「いみじ」と思ふ。 → 家が流されたのだから、マイナスの意味で「ひどい」だな。

ね、簡単でしょう?


橘先生からのメッセージ

古文単語は、ただの文字の羅列じゃない。一つひとつに、昔の人の喜びや悲しみ、驚きといった「感情の体温」が残っているの。

このプラス・マイナスのイメージ暗記術は、その体温を最初に感じ取るための方法。意味を丸暗記する前に、まず「この言葉は温かいな」「この言葉は少し冷たいな」と感じてみて。 そうすれば、君の心が、平安時代の人々の心と自然に重なる瞬間が、きっとやってくるから。

言葉の持つ感情を大切に、これからも旅を続けていきましょうね。

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