「簿記の資格を取りたいけど、世の中には講座が多すぎて、どれが自分に合っているのか分からない…」 「ユーキャンは有名だけど、料金が高いって聞くし、本当に全くの初心者でも最後までやり遂げられるのかな?」
簿記3級の学習を始めようと考えたとき、多くの方が一度は候補に挙げるのが「ユーキャン」ではないでしょうか。しかし、その知名度の高さからくる安心感と同時に、価格や具体的な学習内容、そして自分に合っているのかという点について、多くの疑問が浮かぶはずです。
この記事では、公認会計士・税理士として多くの企業の経理を見てきた専門家の視点から、ユーキャンの簿記3級講座を「価格」「学習スタイル」「サポート体制」「口コミ・評判」の4つの軸で徹底的にレビューします。この記事を読めば、あなたがユーキャンを選ぶべきかどうかが明確になります。
結論から:ユーキャンの簿記3級講座はどんな人におすすめ?
まず結論からお伝えします。ユーキャンの簿記3級講座は、特に以下のような方に、価格以上の価値を提供する可能性が非常に高いです。
- 簿記の知識が全くゼロで、「借方・貸方」という言葉を聞いたこともないような、本当の初学者の方
- 自分一人で学習計画を立て、コツコツと継続する自信がなく、ペースメーカーとなるような丁寧なサポートを求める方
- スマホやPC画面だけで学ぶのではなく、手元に分かりやすい紙のテキストを置き、書き込みながらじっくり学びたい方
- 多少費用がかかっても、「安物買いの銭失い」は避け、信頼と実績のある講座で一回の受験で確実に合格を目指したい方
逆に、「とにかく費用を安く抑えたい」「テキストよりも、講師が話す映像講義をメインに学習を進めたい」という方には、他のオンライン特化型講座の方が合っているかもしれません。
それでは、具体的な内容を詳しく見ていきましょう。
気になる料金は?ユーキャンの簿記3級講座は「高い」のか?
ユーキャンの簿記3級講座の受講料は、一括払いで34,000円(※分割払いも可能)です。 (キャンペーン等で変動する場合があります)
数千円から受講できるオンライン特化型の講座と比較すると、この価格は正直に言って「高い」と感じる方が多いでしょう。しかし、この価格設定には明確な理由があります。それは、教材の質、そして後述する手厚いサポート体制のすべてが含まれた「オールインワン・パッケージ価格」だからです。
- 初心者向けに徹底的に作り込まれたフルカラーのメインテキスト3冊
- 実践力を養う豊富な副教材(問題集、一問一答集など)
- 専門講師による個別指導のような丁寧な添削指導(全4回)
- 疑問をその日のうちに解決できる回数制限のない質問サービス(1日3問まで)
- 万が一の時も安心な最長12ヶ月の長期サポート
例えば、独学で市販のテキストを何冊も買い、それでも分からずに挫折してしまい、結局受験できずに終わってしまうというケースは少なくありません。その時間的、金銭的損失を考えれば、ユーキャンの価格は「独学で挫折するリスク」を限りなくゼロに近づけ、「合格までの安心と確実性」を手に入れるための合理的な投資と捉えることができます。単に教材の価格と見るか、合格まで伴走してくれる総合的なサポートサービスの価格と見るかで、その価値は大きく変わってくるのです。
ユーキャンでの学習スタイルは?教材とデジタルサポートを解説
ユーキャンでの学習は、主に伝統的で堅実な「紙のテキスト」と、それを現代のライフスタイルに合わせて補完する「デジタル学習サポート」の二本柱で進めていきます。
学習のメインは「紙のテキスト」
ユーキャンの最大の特長であり、こだわりが詰まっているのが、徹底的に「分かりやすさ」を追求した紙のテキストです。
- フルカラーで図やイラストが豊富: 活字ばかりの専門書とは一線を画し、取引の流れやお金の動きを視覚的に理解できるよう工夫されています。これにより、例えば「借方」「貸方」という抽象的な概念も、単なる暗記ではなく、具体的なイメージとして頭に入ってきます。
- 各章の冒頭にマンガを導入: これから学ぶ内容が、実際のビジネスシーンでどのように活かされるのかをマンガで紹介。学習内容と実社会との繋がりを最初に知ることで、学習意欲が自然と湧き上がります。
- 専門用語を、これ以上ないほどかみ砕いて解説: 「そもそも簿記って何?」というレベルから、つまずきやすいポイントを丁寧に、繰り返し解説してくれます。独学でありがちな「専門用語が分からなくて、最初の10ページで挫折した」という事態に陥りにくいよう、細心の注意が払われています。
デジタル学習が主流の今、あえて質の高い紙のテキストを学習の軸に据えることで、自分のペースでじっくりと知識を血肉にしていきたいと考える学習者のニーズにしっかりと応えています。
スキマ時間を活用できる「合格デジタルサポート」
もちろん、現代の学習スタイルに合わせたデジタルサポートも充実しており、紙のテキストとの相乗効果を生み出します。
- 要点解説動画: テキストだけではイメージしにくい複雑な処理などを、講師が動画で分かりやすく解説。1本数分程度なので、通勤電車の中や家事の合間にもサッと確認し、知識を補強できます。
- WEBテスト: 学んだ範囲の知識が定着しているか、ゲーム感覚で一問一答形式で手軽にチェックできます。間違えた問題は自動で記録され、効率的な復習が可能です。
- デジタルテキスト: メインテキストをスマホやタブレットで閲覧可能。外出先のカフェなどで学習したい時に、重いテキストを持ち歩く必要がありません。
このように、基本は自宅の机でテキストを使ってじっくりと「理解」を深め、移動中などのスキマ時間でデジタル教材を使って知識の「定着」と「反復」を行う、というメリハリの効いたハイブリッドな学習スタイルがユーキャンの大きな特徴です。
初心者でも安心!ユーキャンの手厚いサポート体制
ユーキャンが「高い」と言われる価格に見合う、最も大きな価値を提供しているのが、この「人による」サポート体制です。
1. モチベーションが続く「添削指導」
全4回の添削課題は、単なる答え合わせではありません。学習のペースメーカーになると同時に、自分の弱点を専門家の視点から客観的に知る絶好の機会です。自分では完璧に理解したつもりでも、意外な勘違いをしていることは少なくありません。専門の講師が、解答のプロセスまで見て丁寧に指摘し、的確なアドバイスをくれることで、間違ったクセがつく前に軌道修正ができます。この「プロに見てもらえる」という安心感と適度な緊張感が、独学にはない学習の質とモチベーションを担保します。
2. “分からない”を放置しない「質問サービス」
学習を進めていると、テキストの解説を読んでも、どうしても理解できない部分が必ず出てきます。そんな時、1日3問まで、回数無制限で専門の講師にメール等で質問ができます。「こんな初歩的なことを聞くのは恥ずかしい…」といった遠慮は一切不要です。独学であれば数時間悩んだり、不正確なネット情報に惑わされたりするような疑問も、すぐに専門家からの的確な回答で解消できます。この「いつでも聞ける」という環境が、学習の停滞を防ぎ、挫折の芽を摘み取ってくれるのです。
3. 忙しい人でも安心の「12ヶ月長期サポート」
標準学習期間は3ヶ月と設定されていますが、受講開始から最長12ヶ月間、添削や質問といった全てのサポートを受けることができます。仕事の繁忙期や家庭の事情で、一時的に学習がストップしてしまうことは誰にでもあり得ます。そんな時でも、ユーキャンなら焦る必要はありません。自分のペースで学習を再開できるこの制度は、忙しい社会人や主婦(主夫)の方にとって、非常に心強いセーフティーネットと言えるでしょう。一方で、価格面や映像コンテンツの量については、改善を期待する声も見られました。
まとめ:価格以上の価値があるかは「あなたの学習スタイル」次第
ユーキャンの簿記3級講座は、マンガの導入や豊富な図解など、初心者をつまずかせない工夫が随所に凝らされた、非常に質の高い講座です。単に知識を羅列するのではなく、学習者が「なぜそうなるのか」を自然に理解できるような構成になっています。
その分、価格は安くありません。しかし、それは単なる教材費ではなく、合格までの道のりを伴走してくれるパートナーとしての価値が含まれています。ただ教材を渡されて「あとは頑張ってください」というスタイルではなく、12ヶ月という長い期間、添削や質問といった手厚いサポートであなたの学習を継続的にバックアップしてくれます。
特に、以下のような考えを持つ方にとっては、価格以上の価値を見出せるはずです。
- デジタル画面を長時間見続けるのが苦手で、マーカーを引いたり書き込んだりしながら、自分のペースでじっくり学習を進めたい方
- 学習中に生まれた「なぜ?」をそのままにせず、専門家に質問してすぐに解消できる、という安心感を学習の「保険」として重視する方
- 過去に独学で挑戦して続かなかった経験がある方や、一人でゴールまで走り抜けるモチベーションを維持することに不安を感じる方
もしあなたがこれらに当てはまるなら、ユーキャンへの投資は、独学の不安や挫折のリスクを回避し、簿記3級合格という目標を達成するための最も確実な選択肢の一つと言えるでしょう。