入試に出る文学史、時代と作品のマッチング暗記法

入試の勉強も、いよいよ本格的になってきた頃かな。たくさんのことを覚えなくちゃいけなくて、頭がパンクしそう…なんて、少しお疲れ気味の君もいるかもしれませんね。

特に、「文学史」と聞くと、「うっ…」って思わず声が漏れちゃうくらい、苦手意識を持っている子が多いんだ。カタカナの作家名、難しい作品名、時代の名前…ただの丸暗記だと思うと、本当に大変だよね。

でもね、先生と一緒に、少しだけ見方を変えてみない?

文学史は、退屈な暗記科目なんかじゃない。それは、言葉でできた「タイムマシン」。昔の人がどんなことに悩み、何に恋をし、何を夢見ていたのか、その「心」に触れることができる、最高の時間旅行なんだよ。

「言葉はね、君の心を映す鏡なんだよ」

昔の人の心を映した鏡を、一緒に覗きに行きましょう。そうすれば、無関係に見えた時代と作品が、キラキラした線で結ばれて、君の記憶にすっと刻まれていくはずだから。

さあ、時を超える旅へ、出発しよう!


目次

入試に出る文学史、時代と作品のマッチング暗記法

なぜ文学史が大切なの?

入試で点数を取るため、もちろんそれは大事。文学史は知っていれば確実に点が取れる、君の強い味方だからね。 でも、もっと素敵な理由があるんだ。

それは、物語を深く味わうための「秘密のスパイス」になるから。 例えば、「この作品は戦乱の世に書かれたんだな」と知っていれば、登場人物の一言の重みが変わって聞こえる。「平和な江戸時代に流行ったお話なんだ」と知っていれば、人々のユーモアや活気が目に浮かぶ。 時代背景を知ることで、君の読解力はぐんと深まるんだよ。

時代のイメージで旅に出よう!物語でつなぐマッチング法

さあ、ここからが本番。時代ごとに「キャッチコピー」をつけて、物語でつないで覚えちゃおう!全部じゃなくていい。まずは入試頻出のスター選手たちから仲良くなろうね。

① 奈良時代 … キャッチコピーは「国の始まり、おおらかな歌の時代」

日本の国が形作られ始めた、力強く素朴な時代。この時代の人たちは、天皇から農民まで、身分に関係なく、自分の素直な気持ちを歌にしました。

  • 『万葉集』(まんようしゅう)
    • 覚え方ストーリーんとっぱの音が聞こえる(奈良)! 国の始まりだ! さあ、身分なんて関係ない、(よろず=たくさん)の民よ、(言の葉=言葉)で気持ちを歌おうじゃないか!」 → 日本最古の和歌集。いろんな身分の人の歌が収められているのがポイントだよ。

② 平安時代 … キャッチコピーは「みやびな貴族、女性たちのきらめく才能の時代」

政治の中心が貴族に移り、優雅で洗練された文化が花開いた時代。主役は、驚くほどの才能を持った女性たち!

  • 紫式部(むらさきしきぶ)作 『源氏物語』(げんじものがたり)
  • 清少納言(せいしょうなごん)作 『枕草子』(まくらのそうし)
    • 覚え方ストーリー平安京のきらびやかな宮殿で、二人の天才が火花を散らす! 一人は、光源氏というスーパーヒーローの恋物語(源氏物語)を描いた、物静かな紫式部。もう一人は、『春はあけぼの、をかし!』と日常のきらめきをエッセイ(枕草子)にした、センス抜群の清少納言!」 → この二人のライバル関係をセットで覚えるのがコツ!

③ 鎌倉時代 … キャッチコピーは「武士の力と、世の無常を感じる時代」

貴族に代わって武士が力を持った、動乱の時代。華やかだった平安時代とのギャップから、「世の中は常には続かない(無常観)」という考えが広まりました。

  • 『平家物語』(へいけものがたり)
  • 鴨長明(かものちょうめい)作 『方丈記』(ほうじょうき)
    • 覚え方ストーリー鎌倉武士の登場で、世は乱れる! 栄華を極めた平家も、あっという間に滅んでしまった…(平家物語)。その様子を見ていた鴨長明は、『ああ、人の世はなんて儚いんだ…』と、方丈(一丈四方=約3m四方)の小さな庵で、静かにつぶやいた(方丈記)。」

④ 江戸時代 … キャッチコピーは「町人パワー炸裂! 旅と笑いと人情の時代」

長い戦乱が終わり、平和な世の中に。主役は武士から、経済力を持った町人たちへ! 旅や、庶民の暮らしを描いたエンタメが大流行しました。

  • 松尾芭蕉(まつおばしょう)作 『おくのほそ道』(おくのほそみち)
  • 井原西鶴(いはらさいかく)… 町人のリアルな姿を描いた小説家
  • 近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)… 人形浄瑠璃(今でいう舞台)の脚本家
    • 覚え方ストーリー 「平和な江戸の町! 俳句の神様・松尾芭蕉は、東北への長い旅に出て紀行文(おくのほそ道)を完成させた。大阪では、商人の井原西鶴が『世の中、金やで!』とリアルな小説を書き、近松門左衛門は人々の涙を誘う感動の舞台を次々と生み出したんだ!」

⑤ 明治時代 … キャッチコピーは「新しい日本の夜明け! 文豪たちの苦悩と希望の時代」

江戸幕府が終わり、西洋の文化がどっと流れ込んできた、激動の時代。作家たちは、新しい日本のあり方や人間の心を、鋭い視点で見つめました。

  • 夏目漱石(なつめそうせき)… 『坊っちゃん』『吾輩は猫である』
  • 森鷗外(もりおうがい)… 『舞姫』
  • 樋口一葉(ひぐちいちよう)… 『たけくらべ』
    • 覚え方ストーリー 「文明開化の明治時代! イギリス帰りの夏目漱石は、『吾輩は猫である!』とユーモアたっぷりに社会を風刺した。ドイツ帰りのエリート・森鷗外は、悲しい恋の物語(舞姫)を描いた。そして、忘れてはいけないのが樋口一葉。五千円札の彼女は、短い生涯の中で、明治の世を生きる人々の喜びや悲しみを、美しく描き出したんだ。」

この旅を忘れないために

  1. 自分だけの「旅の地図(年表)」を作ろう ただ書き写すんじゃなくて、芭蕉さんの隣に笠の絵を描いたり、清少納言の隣にキラキラマークをつけたり、君だけの地図にしてみて。
  2. 物語を誰かに話してみよう 「ねえ、平安時代にすごいライバルがいてね…」っておうちの人や友達に話してみて。人に説明すると、記憶はもっと強くなるんだよ。

橘先生からのメッセージ

どうだったかな? ただの暗記リストが、少しだけ、人々の息づかいが聞こえる物語に変わったんじゃないかな。

文学史の旅は、何百年も前の作家たちとの対話なんだ。彼らが残してくれた言葉のかけらから、その人の喜びや悲しみを感じ取ること。それは、君がこれから出会う人たちの心を、深く理解しようとする優しさにも繋がっていくよ。

入試の先にある、君の豊かな人生のために、この時間旅行をぜひ楽しんでほしいな。 先生は、君の旅をいつでも応援しているからね。

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