国語の勉強、がんばっているかな? 物語を読んだり、漢字を覚えたりするのは楽しいけれど、「文法」って聞くと、なんだか急に難しそう…って、少し身構えちゃう子もいるかもしれないね。
でもね、大丈夫。文法は、言葉たちが作るお家の「設計図」のようなものなんだ。柱があって、屋根があって、壁がある。その仕組みが分かれば、どんなに長くて複雑に見える文章も、「なるほど、こうなっていたのか!」って、スルスルと読み解けるようになるよ。
そして、その設計図を学ぶ最初の、そして一番大切な一歩が、今日お話しする「文の成分」を知ること。
「言葉はね、君の心を映す鏡なんだよ」
君が誰かに何かを伝えたいとき、この「文の成分」を意識すると、君の心の中にある想いが、もっとクリアに、もっとキラキラと相手に届くようになるんだ。さあ、言葉のお家づくりの、基礎工事を始めようか!
文法は「文の成分」から!主語・述語・修飾語の見分け方
文というお家は、主に3つのパーツ(成分)でできています。それは「主語」「述語」「修飾語」。 まずは、お家の中で一番大事な骨組み、「主語」と「述語」から見ていこうね。
① 文の骨格!「主語」と「述語」
この二つは、文の中で絶対に欠かせない、大黒柱と屋根のような存在。「だれが・なにが」と「どうする・どんなだ」のペアで、主述(しゅじゅつ)の関係と呼ばれます。
【主語】…「だれが」「なにが」にあたる言葉 文の主人公だよ。見つけ方はとっても簡単。文の初めの方にあって、「〜が」「〜は」「〜も」がついていることが多いんだ。
【述語】…「どうする」「どんなだ」「なんだ」にあたる言葉 主語が「何をしたか」「どんな様子か」を説明する部分。もっと簡単に見つけるなら、文の最後に来る言葉だと覚えておこう。
まずは、この一番シンプルな文で見てみよう。
例:鳥が 鳴く。
- 「なにが」鳴くのかな? → 「鳥が」。これが主語だね。
- 鳥が「どうする」のかな? → 「鳴く。」。これが述語。
簡単でしょう? もう二つ見てみようか。
例:空が 青い。
- 主語:「空が」(なにが)
- 述語:「青い。」(どんなだ)
例:彼が 先生だ。
- 主語:「彼が」(だれが)
- 述語:「先生だ。」(なんだ)
この「主語」と「述語」さえ見つけられれば、文の骨格はもう掴めたも同然だよ。
② 文を豊かにする飾り付け!「修飾語」
主語と述語だけの文は、骨組みだけのお家みたいで、ちょっとさみしいよね。そこに窓をつけたり、壁紙を貼ったり、素敵な飾り付けをするのが「修飾語」の役割なんだ。
【修飾語】…文の他の部分を詳しく説明(修飾)する言葉
「いつ」「どこで」「どのように」「どんな」などを表して、文を具体的に、カラフルにしてくれる名脇役だよ。
さっきの文を、修飾語で飾り付けしてみよう。
例:美しい 鳥が 木の枝で さっきから 鳴いている。
この文の骨格(主語と述語)は、さっきと同じ「鳥が 鳴いている。」だよね。 じゃあ、残りのパーツは何をしているのかな?
- 「美しい」 → どんな鳥? → 「鳥が」を詳しく説明しているね。これが修飾語。
- 「木の枝で」 → どこで鳴いている? → 「鳴いている」を詳しく説明している。これも修飾語。
- 「さっきから」 → いつから鳴いている? → 「鳴いている」を詳しく説明している。これも修飾語。
このように、主語と述語以外の、文を詳しくしているパーツは、全部「修飾語」なんだ。
もう迷わない!見分けるための簡単3ステップ
どんなに長い文が出てきても、この順番で探せば絶対に見つけられるよ。
ステップ1:まず「述語」を見つける!
文法が苦手な子は、つい文の頭から順番に考えちゃう。でもね、一番の近道は、文末を見ること。日本語は、一番大切な述語が最後にやってくるからね。
ステップ2:次に「主語」を探す!
述語が見つかったら、その述語に対して「だれが?」「なにが?」と質問をしてみよう。その答えが主語だよ。
ステップ3:残ったものが「修飾語」!
主語と述語が見つかれば、もうゴールは目前。残ったパーツはすべて修飾語です。あとは、それぞれの修飾語が、どの言葉を詳しく説明しているのかを考えてみよう。「〜な」で終われば名詞に、「〜に」「〜く」で終われば動詞や形容詞に繋がることが多いよ。
【練習してみよう】 「昨日、親切な お兄さんが 私に 道を 教えてくれた。」
- 述語は? → 文の最後だから「教えてくれた。」
- 主語は? → 「だれが」教えてくれた? → 「お兄さんが」
- 修飾語は? → 残りのぜんぶ!
- 「昨日」→ いつ教えてくれた? → 「教えてくれた」を修飾
- 「親切な」→ どんなお兄さん? → 「お兄さん」を修飾
- 「私に」→ だれに教えてくれた? → 「教えてくれた」を修飾
- 「道を」→ なにを教えてくれた? → 「教えてくれた」を修飾
どうかな? パズルみたいで、少し楽しくなってきたんじゃない?
橘先生からのメッセージ
「文の成分」は、文章を読むとき、そして書くときの、君だけの「魔法のメガネ」なんだ。
このメガネをかけると、今までごちゃごちゃに見えていた長い文章も、主語と述語というくっきりとした骨格が見えてきて、修飾語がどんな風に飾り付けをしているのかが、はっきりと分かるようになる。
それは、作者がどんなことを一番伝えたかったのか、その心の中心を見抜く力になる。 そして、君が自分の気持ちを作文にするとき、言葉のお家を、迷わず、そして美しく建てられる力になるんだ。
言葉のルールを大切にすることは、相手の心を、そして君自身の心を、大切にすることに繋がるんだよ。 焦らず、一つひとつ、言葉と仲良くなっていこうね。