故事成語・ことわざ、意味と使い方をセットでマスター

こんにちは、橘 詩織です。

君は、アニメや本の中で、登場人物が「まさに矛盾しているな」とか「そんなの二階から目薬だよ」なんて、少し難しい言葉を使っているのを見かけたことはないかな?

そういう言葉に出会ったとき、「意味はなんとなく分かるけど、自分で使うにはちょっと自信がないな…」って感じてしまうかもしれないわね。それが、「故事成語」や「ことわざ」という、昔の人から受け継がれてきた、知恵の結晶たちです。

これらは、たった数文字の中に、深い物語や人生の教訓がギュッと詰まった、まるで「言葉の宝石箱」。入試でも頻出だから、意味を覚えている子はたくさんいるの。でも、本当の勝負はここから。意味だけを覚えても、どんな場面で使われるのかを知らないと、テストで点を落としてしまうことがあるんだ。

「言葉はね、君の心を映す鏡なんだよ」

故事成語やことわざを上手に使えるということは、君の表現力が豊かである証。君の心を映す鏡を、もっともっと磨き上げていくために、今日は意味と使い方をセットでマスターする、とっておきの方法を教えるね。


目次

故事成語・ことわざ、意味と使い方をセットでマスター

「故事成語」と「ことわざ」って、どう違うの?

まず、二人のキャラクターの違いを知っておこう。

  • 故事成語(こじせいご)
    • 【特徴】元になった「お話」がある言葉
    • 【見分け方】主に中国の古い書物(古典)に出てくるエピソードが由来。だから、そのお話を知ると、意味が絶対に忘れられなくなるんだ。歴史上の人物や事件が元になっている、いわば「物語付きの言葉」だね。

  • ことわざ
    • 【特徴】昔からの「生活の知恵」や「教え」
    • 【見分け方】特定の誰かが作ったというより、多くの人々の経験から生まれた、人生のヒントや戒め。「〇〇するといいよ」「〇〇はダメだよ」という、おじいちゃんやおばあちゃんの知恵袋のような言葉だよ。

これだけは押さえたい!頻出フレーズの使い方マスター

さあ、入試でよく見かけるスター選手たちに登場してもらいましょう!「意味」と「由来」、そして一番大切な「使い方」をセットで見ていくよ。

【故事成語 編】物語と一緒に覚えよう!

① 矛盾(むじゅん)

  • 【意味】 二つの物事のつじつまが合わないこと。
  • 【元になった物語】 昔、中国である商人が「どんな盾(たて)も突き通す矛(ほこ)」と、「どんな矛も防ぐ盾」を売っていました。ある客が「その矛でその盾を突いたらどうなるんだ?」と聞くと、商人は何も答えられなかった、というお話から。
  • 【こんな時に使ってみよう!】 「『たくさん食べて大きくなれ』って言うのに、『お菓子は食べ過ぎるな』だなんて。お母さんの言うことは矛盾してるよ!」

② 蛇足(だそく)

  • 【意味】 あっても役に立たない、余計なもの。かえって邪魔になるもの。
  • 【元になった物語】 昔、中国で蛇の絵を一番速く描いた者にご馳走をあげる、という競争がありました。一番になった男が、調子に乗って蛇に足を描き足しているうちに、二番目の男が完成させてしまい、ご馳走を逃してしまった、というお話から。
  • 【こんな時に使ってみよう!】 「レポートは完璧だったのに、最後にいらない感想を一言付け加えたのが、まさに蛇足だった。あれで評価を下げちゃったんだ。」

③ 漁夫の利(ぎょふのり)

  • 【意味】 二者が争っている間に、関係のない第三者が利益を得ること。
  • 【元になった物語】 シギという鳥がハマグリの身を食べようとしたら、貝にはさまれてしまった。二者が争って離さないでいると、通りかかった漁師(漁夫)が、両方とも簡単に捕まえてしまった、というお話から。
  • 【こんな時に使ってみよう!】 「AさんとBさんが最後の一つの唐揚げを取り合っている隙に、Cさんがそれを食べちゃった。これが漁夫の利ってやつだね。」

【ことわざ 編】イメージで覚えよう!

① 石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)

  • 【意味】 辛くても我慢して続ければ、いつかは必ず成功するということ。
  • 【由来】 冷たい石の上でも、三年も座り続ければ温まってくる、というイメージから。
  • 【こんな時に使ってみよう!】 「苦手だった数学も、毎日コツコツ勉強し続けたら、テストで90点が取れた! 石の上にも三年って本当だね。」

② 二階から目薬(にかいからめぐすり)

  • 【意味】 やり方が遠回しすぎて、効果が期待できないこと。もどかしいこと。
  • 【由来】 二階から階下にいる人の目に目薬をさそうとする、もどかしく、うまくいくはずのない様子のイメージから。
  • 【こんな時に使ってみてみよう!】 「単語も覚えないで、長文問題集ばかり解いてるなんて、二階から目薬だよ。まずは基礎からやらないと。」

③ 猫に小判(ねこにこばん)

  • 【意味】 価値のあるものを与えても、その価値が分からない人には何の意味もないこと。
  • 【由来】 猫にキラキラ光る小判(昔のお金)をあげても、猫にとってはただのおもちゃで、その価値は分からない、というイメージから。
  • 【こんな時に使ってみよう!】 「ゲームに全く興味のないお父さんに、最新のゲーム機をプレゼントしても、猫に小判かもしれないなあ。」

橘先生からのメッセージ

どうだったかな? ただ意味を暗記するよりも、物語やイメージと一緒に覚える方が、ずっと記憶に残るでしょう?

故事成語やことわざは、昔の人たちが経験した成功や失敗、喜びや悲しみが詰まった、時代を超える「生きるヒント」なんだ。 これから本を読んだり、人の話を聞いたりするとき、「あ、この言葉知ってる!」という場面がきっと増えるはず。そうしたら、チャンス! すぐに意味を調べて、「自分ならどんな時に使うかな?」とオリジナルの例文を考えてみて。

その積み重ねが、君の言葉の世界を、どこまでも広く、深くしてくれるから。 君の心を映す鏡が、先人たちの知恵でますます輝くのを、先生は楽しみにしているね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次