目次
1. 独学で合格するための「3つの鉄則」
11月に入れば、受験まで残すところ3か月ちょっと。まだ全然勉強できていない、この夏遊んでしまった・・・という人でも今から焦らず計画的に学べばまだまだしっかりと志望校への合格の道を切り開けます。無理をせず、体調管理をしっかりしながら独学で学習していく戦略を紹介します。
塾や予備校に通わない「独学」場合、以下の3点を徹底することが合格の鍵となります。
「質問力」を磨く: 塾の先生にすぐに質問はできません。わからない問題に直面した時、「学校の先生に的確に質問する力」または「解説を読み解き、自力で解決する力」が必須です。
「教科書」こそ最強の参考書と心得る: 塾のテキストがない分、中学3年間で使った教科書を完璧に理解することが最優先です。基礎の穴はすべて教科書で埋められます。
徹底した「自己分析」を行う: 塾の模試や進路指導がないため、「自分が何ができて、何ができていないか」を客観的に把握する力が合否を分けます。過去問を解いた後の分析に全力を注ぎます。
2. 合格への全体戦略:3か月の使い方
残り3か月を「基礎定着期」「応用・弱点克服期」「実戦・直前期」の3フェーズに分け、戦略的に学習を進めます。
【第1フェーズ】最初の1か月:全範囲の基礎徹底(インプット)
- 目的: 中1から中3までの全範囲の基礎知識を高速で総復習し、知識の穴をゼロにする。
- 学習法:
- 5教科すべて、薄手で**「解説が非常に詳しい」**全範囲(中1~中3)がまとまった参考書や問題集を1冊用意します。(独学では「解説の分かりやすさ」が命です)
- 「1日〇ページ」と決め、まずは全範囲を1周終わらせることを最優先にします。
- この段階で解けない問題があっても立ち止まらず、解説を読み込み「理解」して先に進みます。「苦手」を可視化することが目的です。
【第2フェーズ】次の1か月:過去問と弱点克服(アウトプット&分析)
- 目的: 埼玉県立入試の出題傾向を掴み、自分の弱点をピンポイントで潰す。
- 学習法:
- 過去問(最低5年分)を解き始めます。まずは時間を計らずに解き、どれだけ解けるかを確認します。
- 採点後、「なぜ間違えたのか」を徹底的に分析します。**「計算ミス」「知識不足」「時間不足」「問題文の誤読」**など、原因を分類し、ノートに書き出します。
- 第1フェーズで使った参考書や教科書に戻り、間違えた単元を完璧に復習します。
- 【重要】 この時期から「学校選択問題」採択校を受ける生徒は、専用の難易度の高い問題集にも取り組み始めます。
【第3フェーズ】最後の1か月:実戦演習と最終調整
- 目的: 本番と全く同じ時間配分で解く練習を積み、時間内に最大得点を取る技術を磨く。
- 学習法:
- 時間を厳密に計り、本番と同じ順番(国→数→英→理→社など)で過去問や予想模試を解きます。
- 「捨てる問題」と「必ず取る問題」を見極める練習をします。
- 理科・社会の暗記分野、英単語、数学の公式など、知識系の最終確認を毎日行います。
- 体調管理を徹底し、本番と同じ時間に起きる生活リズムを作ります。独学は生活リズムの維持が最も重要です。
2. 【教科別】3か月学習法と重点コンテンツ
各教科、3か月で網羅するための学習法は以下の通りです。
【国語】
- 3か月の学習法: 国語は「感覚」ではなく「解法ロジック」で解く教科です。
- 毎日の習慣: 漢字・語彙・文法は毎日10分継続し、得点源にします。
- 読解演習: 論説文は「接続詞」「指示語」に印をつけ、筆者の主張の「幹」を見抜く練習をします。小説は「登場人物の心情が変化したきっかけ」に注目します。
- 古典: 主要な助動詞の意味、歴史的かなづかいを完璧にし、主語を補いながら読む練習を積みます。
- 作文: 埼玉県の出題形式(資料の読み取り、自分の経験を踏まえた意見)の「型」を覚え、必ず学校や塾の先生に添削してもらいます。
【数学】
- 3か月の学習法: 「大問1」の攻略と「関数・図形」のパターン暗記が鍵です。
- 大問1(計算・小問集合): ここは満点を取るのが前提です。毎日、計算練習と全範囲の小問集合を解き、スピードと正確性を高めます。
- 関数(一次・二次): 過去問で出たパターンをすべて解き直し、グラフと図形の融合問題に慣れます。
- 図形(証明・求積): 証明問題は「合同条件・相似条件」を即座に言えるようにし、仮定と結論から逆算する思考を練習します。埼玉県の図形は難易度が高い傾向があるため、補助線の引き方を研究します。
- 学校選択問題: 標準問題が完璧になった上で、応用問題集を使い、複雑な設定の問題にじっくり取り組む時間を確保します。
【英語】
- 3か月の学習法: 「単語・文法」の基礎力と、「長文読解・リスニング」の速読・速聴力が勝負を分けます。
- 単語・文法: 中学3年間で習う単語帳(または教科書)と文法問題集を1冊決め、3か月で最低3周します。
- 長文読解: 埼玉県の長文は語数が多いのが特徴です。時間を計り、「段落ごとの要旨」を掴みながら速読する練習を積みます。
- リスニング: 配点が非常に高いです。毎日15分、必ず英語を聞く時間を作ります。過去問の音声を使い、設問を「先読み」する技術を磨きます。
- 英作文: 埼玉県の頻出テーマ(自己紹介、意見陳述など)の「型」を覚えます。文法ミスをしない、簡単な文で確実に書くことを優先します。
【理科】
- 3か月の学習法: 「計算分野(物理・化学)」と「暗記分野(生物・地学)」をバランスよく対策します。
- 全範囲の網羅: 理科は中1・中2の範囲からの出題が非常に多いです。第1フェーズで全範囲の基礎を徹底的に復習します。
- 計算分野: 物理(電気・運動・エネルギー)、化学(化学変化の計算・濃度)は、公式を丸暗記せず、「なぜその公式になるのか」を理解します。単位にも注意して問題を解き、解法パターンを身につけます。
- 暗記分野: 生物(植物、人体、遺伝)、地学(天気、地層、天体)は、図や表とセットで覚えます。一問一答と過去問演習を往復し、知識の定着を図ります。
- 実験・観察: 教科書に載っている実験の手順や結果、その「理由」は必ず問われます。
【社会】
- 3か月の学習法: 社会は「直前まで点数が伸びる」教科です。暗記の「量」と「つながり」が命です。
- 全範囲の網羅: 地理・歴史・公民の全範囲を、まずは教科書レベルで完璧にします。
- 地理: 地図帳と資料集を常に横に置き、地形、気候、産業、貿易を関連付けて覚えます。
- 歴史: 「タテ(時代)」の流れを掴んだら、「ヨコ(同時代の世界)」のつながりを意識します。特に近現代史は配点が高いため、重点的に対策します。年表を使った学習が効果的です。
- 公民: 政治・経済・国際社会の重要用語を正確に暗記します。時事問題に関連する出題も多いため、ニュースにも関心を持ちます。
- 記述対策: 埼玉県の社会は記述問題も出ます。「重要語句を使って〇字以内で説明せよ」という形式に慣れ、減点されない解答の書き方を練習します。
この3か月は、長く苦しい戦いに感じるかもしれませんが、終わってみればあっという間です。大切なのは、「昨日より今日、今日より明日、少しでも前に進むこと」です。
このロードマップを参考に、自分だけの学習計画を立ててみてください。応援しています!
