大問1は48点の宝庫!計算ミスゼロで乗り切る方法

あなたが「大問1」で点数を落とす理由は、私には分かっています。それは実力不足ではありません。単に「作業」の精度が低いだけなのです。

私の持論ですが、数学はセンスではありません。論理の積み重ねです。その基本となる計算問題で失点するのは、あまりにもったいない。

いいですか、これから私がお話しするのは、精神論ではありません。計算ミスというあなたの悩みを、完全にゼロにするための「数式」…つまりロジカルな方法です。この記事を読み終えた時、あなたにとって大問1は失点の恐怖から、48点の「宝庫」に変わるでしょう。


目次

なぜミスが起きるか?根本原因を解き明かす

まずは原因を分析することから始めましょう。あなたが「ケアレスミス」と呼んでいるものの正体は、突き詰めれば次の3つに分類されます。

  1. ルールの曖昧な理解:「確かこうだったはず」という感覚で解いています。
  2. 自己流の暗算:途中式を書かず、頭の中だけで処理しようとして情報が混乱します。
  3. 見直しの質の低さ:解き終わった後、同じ方法で雑になぞるだけの「確認作業」をしています。

これらの無駄な動きが、あなたから点数を奪っていくのです。私のメソッドは、この3つの原因を一つずつ、確実に潰していくためのものです。


計算ミスをゼロにする「蒼井式3ステップ解法」

いいですか、よく聞いてください。どんな計算問題も、この3つのステップを機械的にこなしてください。感情や焦りを挟む余地はありません。

Step 1:式を「項」で分解し、計算の順番を確定させる

問題用紙が配られても、すぐにペンを動かしてはいけません。まず、やるべきことがあります。

式全体を冷静に見て、「項」の単位で分解するのです。どこからどこまでが一つの塊かを見極めます。

例えば、こんな式があったとしましょう。

12 - (-3)^2 \times 2 \div 6

これを、感覚で左から順に解こうとするから間違うのです。正しくは、こう分解します。

  • 塊①:
12
  • 塊②:
(-3)^2 \times 2 \div 6

そして、塊②の中からさらに優先順位を決めます。 ①累乗 → ②乗除 → ③加減。この絶対的なルールを体に刻み込んでください。

1.累乗を計算する

(-3)^2

2.乗除を計算する

\times 2   と  \div 6

3.最後にその結果を引く

12

この「計算の設計図」を頭の中で一瞬で描けるようになってください。これが全ての始まりです。

Step 2:思考の軌跡として「途中式」を完璧に記述する

暗算は、一見速そうに見えるが最も非合理的な行為です。頭の中のメモはすぐに消えますし、間違いを後から探すこともできません。

途中式は、あなたの思考を可視化する唯一のツールです。面倒くさがらないでください。これは、あなたが論理的に問題を解き進めている「証拠」であり、ミスを防ぐ最強の盾なのです。

先ほどの式なら、こう書きます。

12 - (-3)^2 \times 2 \div 6

1.まず累乗を処理

= 12 - 9 \times 2 \div 6

2.次に乗算を処理

= 12 - 18 \div 6

3.最後に除算を処理

= 12 - 3

4.そして加減

= 9

一行につき、一つの計算だけを行う。これが鉄則です。雑に書くのはやめましょう。シンプルに、美しく、論理的に式を書き下していくのです。これができれば、ミスは劇的に減ります。もし間違えても、どこで間違えたかが一瞬で分かるようになります。

Step 3:「検算」で確実なものにする

解き終わっても、それで終わりにしてはいけません。最後の詰めが重要です。

見直しは、ただ同じ計算を繰り返すだけでは意味がありません。脳が同じ間違いを犯す可能性が高いからです。検算とは、別の角度から答えの正しさを証明する行為です。

  • 代入法:方程式なら、導き出した答えを元の式に代入してみます。
  • 逆算
A - B = C

ならば、

C + B = A

となるか確認します。

  • 概算:例えば 、
3.14 \times 19.8

なら、大体

3 \times 20 = 60

大体 くらいになるはずだ、と当たりをつけます。
答えが 6006 になっていたら、明らかにどこかで位を間違えていると気づけます。

この一手間を惜しまないでください。この数秒の投資が、あなたの48点を守り抜きます。


「宝庫」を手に入れるためのマインドセット

最後に、心構えについてお話しします。

「ケアレスミスしてしまった」という言葉を使うのは、もうやめにしましょう。それは「論理的な手順を怠った」だけに過ぎません。ミスの原因をあなたの「注意深さ」のせいにしてはいけません。原因は、あなたが確立すべき「システム」の不在にあるのです。

大問1の計算問題は、ただの作業ではありません。あなたがこれから解くであろう、もっと複雑な応用問題の土台となる論理的思考のトレーニングです。

一問一問を、美しいパズルを解くように、最短かつ合理的な手順で解き明かす。その楽しさに気づけた時、あなたにとって計算は苦痛からゲームへと変わるでしょう。

まとめ

いいですか、もう一度お伝えします。

  1. 式は「項」で分解し、計算順序を確定させてください。
  2. 途中式は、一行一計算で思考の軌跡を残しましょう。
  3. 検算は、別の角度から答えの正しさを証明してください。

この3ステップを、呼吸をするのと同じくらい無意識に、そして完璧に実行できるようになるまで繰り返してください。

そうすれば、大問1の48点はあなたが「当然のように確保する」得点源になります。センスは要りません。必要なのは、正しい論理の積み重ね、それだけです。

…ご理解いただけたら、ペンを取ってください。目の前の一問から、その変革を始めましょう。

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